1年後にラーメンが78円になっていたら、78円でラーメンを買えばいいのだ。
今の価格で買うよりも10円得である。
でも、ラーメン・オプション券5円を捨てなきゃいけない。
それでも差し引き5円の得だ。
Y君は5円のラーメン・オプション券を買うことにより、値上がりした場合でも値下がりした場合でも5円の得をすることになる。
もしラーメン・オプションに参加していなかったら、値下がりしたら10円の得だが、値上がりしたら10円の損である。
オプションを持っていない時に比べて損得の落差が激しいのだ。
もうお気づきだろう!もしもラーメンの価格が88円のままだったら、何が起きるだろう。
答えは簡単だ。
Y君はオプション券の5円を損するだけである。
ラーメンが値上がりしたり、値下がりしたりする可能性が高いほど、すなわち価格変動のリスクが高いほどオプションは有効なのである。
オプションとは、将来、決まった価格で商品を買える(売れる)権利のこと。
価格変動リスクが高いものほどオプションの効果は大きい。
オプションの基本はコールオプションとプットオプションである。
ここまでは比較的知られている。
知られてはいるが意外に難関なのだ。
コールとプットという言葉が困るのである。
この前はロングとショートで困ったが、今回はコールとプットで困るのだ。
オプションの世界ではコールは「買う権利」のことを言う。
プットは「売る権利」のことである。
オプションの世界ではこうなのだが、われわれ一般人の世界では違うのだ。
コールは「Call」である。
Callと言えば「呼ぶ」である。
「買う」とか「権利」とかとは関係ないのだ。
「プリーズ・コール・ミー・ボブ!」は「私のことをボブと呼んでくれ」であって、「どうか私にボブを買う権利を与えてくれ」などという人身売買みたいな話にはならないのである。
こんなことは中学生だって知っているのだ。
中学生の常識にすらついていけないオプションの世界の非常識さは目を覆うばかりである。
プットだって同じだ。
プットは「Put」であり、その意味は……実のところPutの意味ってなんだかよくわからないのだ。
「Putupwith(我慢する)」「Putaway(片づける)」なんて感じで熟語によくくっついている単語1程度の認識しかないのだ。
不気味な単語である。
オプションの教科書を開いた途端に、コールオプションは「買う権利」だよ、プットオプションは「売る権利」だよ、と教わるのである。
ここからが苦悩の始まりだ。
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